第19回:ノイズの種類と対策を教えて!

汚れとくすみって、気になりますよねー。

女子かっ! まあ、でも最近は空気も乾燥して、お肌がボロボロで大変という人も多いでしょうね。そんなお肌の曲がり角のあなたには、アンチエイジングに効果的なメラニンの生成を抑える……

いやだなー、ゴンさん。お肌じゃなくて、音の汚れの話です。電源の汚れとか、デジタルだとジッターとか、最近、話題になっていますよね。

そうですね、電源の汚れは20年くらい前から言われていますが、デジタル化されてアナログノイズとはオサラバできたと思ったのに、今度はデジタルノイズなんて厄介ものが問題視されています。

アナログでもデジタルでも、結局ノイズは出ちゃうんですね。ノイズにもいくつか種類があるのですか?

ありますよー。まず、電源から混入するノイズ、機器内部で発生するノイズ、そしてケーブルに飛び込んでくるノイズ。そして、デジタル信号を汚すジッターと呼ばれるノイズなんかもありますよね。

いろんなところからノイズが出まくりじゃないですか! いや〜、これらのノイズ対策は大変そうですね! そういえばテレビ番組で見ましたよ。ノイズ対策の究極の奥義として、キレイな電源のために自分専用の電柱を立てたという猛者の話。

マイ電柱」だね。確かにそのような対策もあります。あれは電柱が大切なのではなく、柱上トランスが大事なんですよね。実際、電柱より柱上トランスのほうが値段が高いという。そのレベルまでいくと本当に大変なので、今回はもっとお手軽なジッター対策に取り組んでみましょう。

さきほどから「ジッター」ってさりげなく出てきていますが、ジッターってなんですか?

あ、これはですね、難しい言い方をすると、信号伝送の過程における「揺らぎ」の総称、わかりやすく言うと、信号を送り出すタイミングのズレのことなんです。

デジタルなのにズレるって、なんだか変ですよね〜。0と1の信号なのに、しかもそれがノイズの原因になるなんて。

デジタル信号に問題がなくても、タイミングがズレるとそれが音の歪みになります。USBの場合はアシンクロナス……

また横文字が出てきた! その話、長くなりますか? 心にノイズがのって集中力がなくなります。

とにかく、デジタルでもジッターが発生すると音質が劣化するので、対策が必要ということですね。

とにかくジッターを下げるためには、高精度なクロックが必要になります。色々なデジタル機器は、信号伝送のタイミングを合わせるためにクロックを基準にします。その精度が上がればジッターは減るはずです。ハイエンドDACには外部クロックが欠かせません。いわゆるマスタークロックジェネレーターです。

わかりました! その外部クロックを導入しましょう。

国産メーカーで信頼性の高いエソテリック「Grandioso G1がオススメです。ルビジウム発振器を内蔵して誤差±0.00005ppmを実現しています。

希望小売価格190万円(税別)って!? 買えませんよ……。

では、オントモ・ヴィレッジで販売しているDRESSING「APS-DR000」2700円(税込)を試してみましょう。

ガクッ! いきなり庶民的なお値段になりましたが、こんなに安くても効果あるのでしょうか?

これはクロックではなく、PC内で発生する電源ノイズを抑えるアクセサリーなんです。USB端子には信号系と電源系のラインが同居しています。我々の周りにはUSBグッズがあふれていますよね。USB扇風機とかUSBカップウォーマーとか。

USBが供給する5Vのバスパワーのおかげで、外部電源不要でいろいろな機器が駆動できるんですよね。

そのバスパワーを作っているのがPC内部にあるDC/DCコンバータです。これがノイズ源なのです。また信号系電源系が同居しているUSBケーブルもノイズの発生源となります。

ハイレゾ音源が保存されているPCは、ノイズ源を抱えていたんですね。これは、どげんかせんといかん。

ようやくAPS-DR000の出番がきました。これをPCのUSB空きポートに差し込むだけでジッターを減らせるのです。完全除去は無理ですが。高周波用ノイズフィルターですね。

理屈はわかりましたが、音質改善効果がなければ絵に描いた餅ですよね。そんなに効果あるんですか、これ挿すだけで。

今回、そう思って自宅で試聴しました。使ったのは

  • APS-DR000:2,700円(税込)
  • APS-DR001:6,480円(税込)
  • APS-DR000T:4,968円(税込)
  • APS-DR005:16,200円(税込)

の4種類です。

 

DRESSINGは合計6種類。今回は4種類を試聴した。右上がDR005、その下のブラックボディがDR000T、短いモデルの上がDR001でブラックボディがDR000。

DR000DR001は短いですが、あとの2個は長いですね。ブラックボディは「ONTOMO MOOK」の特別付録となります。

DR000DR001は空きポートに挿すタイプで、DR000TDR005は使用中のUSB機器との間に接続するタイプです。

 

DR000とDR001は差し込むだけのタイプ。

 

DR000TとDR005は出力メス端子を備え、USB機器との間に挟めるタイプ。

 

このようにUSBケーブル端子に接続する。

空きポートに挿すだけのタイプは、他に使っている全部のUSBケーブルに効果があるのでしょうか?

そうですね、すべてのポートに効果があるはずです。同様にUSB出力端子を備えたタイプもすべてのポートに効果が期待できます。

ポートを占有しないで済む、USBスルー出力タイプがよさそうですね。

挟むタイプは構造が複雑なので、その分、高価になってしまいます。音の違いがあるかどうかも気になります。

やっぱり高額なほうが音質改善の効果も高いのかなあ〜。

まず、繊細な音の違いがわかりやすいヘッドフォンで試聴してみました。拙宅のSONOMA「model One」はUSB/DAC内蔵なのでDRESSINGに最適でした。その後でデスクトップシステムで「Ishida model」のスピーカーでも確認しています。音源はMac miniです。

DR000を空きポートに差し込むと、まず、シンプルな構成で歌う女性ボーカルのS/N感が向上します。それに伴って音の輪郭がクッキリしますね。

オタメシ価格のDR000でも効果あるんですね。これはDR001がどうなるか気になります。

DR001に変更しましょう。外見はUSB端子金メッキになっただけですが、内部の回路も変更されているのでしょうか。

音の傾向は基本的に同じですが、ボーカルの抑揚が大きくなったような感じです。細かい音のフォーカスが、よりしっかり合ってきました。

ちゃんと効果に差が出るんですね。不思議です。それでは後ろにUSB機器を後ろに挿せるタイプのDR000Tはどうでしょう。

予想通りですが、こちらのほうが効果は大きいです。ボーカルに透明感が出て、なめらかで清清しいですね。さらにクッキリした印象になります。透明感がある音です。

見た目も、挟むタイプのほうが効果ありそうに見えますね。

しかし、厚みが結構あるので、隣りのUSBポートにもう1個挿すことはできませんでした。

 

Mac miniに挿した場合、隣りとの間隔はかなり狭くなった。

DR000DR001はスリムですね。使い勝手はこちらのほうがいいかもしれませんね。

DR000DR001USB端子のあるNASやゲーム機など、USB接続していない機器にも使えますね。

 

LANケーブルでNASと接続している、デジタルオーディオプレーヤーの空きポートにも利用可能だ。

最後にDR005の効果はどうでしょうか。16,200円なのでかなり期待できますよね?

ボーカルが力強いですね。S/N感も今まで一番いいです。音のエッジがきつくなりすぎない限界まで研ぎ澄まされた感じで、やや緊張感のある音です。音像定位がクッキリするので、楽器の位置が明確になって、左右の広がりとがより感じられます。

もし最初に買うとしたら、どれがオススメですか?

もちろんコスパがいいのは「APS-DR000」です。USBポートがあればAV機器にも使えるので、音だけなく、映像が変化するかどうかもチェックできます。後にも先にも1個だけなら、「APS-DR000T」ですね。上級モデルとの差は少ないのでお買い得感があります。真空管アンプとの相性が良かったので、実は私も注文しました〜。

 

 

 

 

 

 

 

 


第18回:パッシブラジエーター・キットの実力は?

今年最後の「オーディオなぜなに事典」は、前回に引き続き「パッシブラジエーター型エンクロージュア・キット」を使って、パッシブラジエーターの実体に迫ります!

それでは早速、キットの音を聴いてみましょうか。PCのハイレゾ音源DAC経由で、300Bシングルの真空管アンプキットSV-S1616D」に接続してスピーカーを鳴らします。予想していたよりも、ずっとスピード感のある低音ですね! これは驚きました。ドロンコーンだから、もっとドローンとした低音かと思ったのに……。

今回はキヨトマモルさんが塗装まで施したもので試聴。2018年2月10日(土)まで「オントモ・ヴィレッジ感謝祭」開催中につき、6cmユニットをプレゼントしてます!

ゴンさんもダジャレ言うんですね!

実はこのドロンコーン、またの名をパッシブラジエーターの部分は、「Stereo」誌面の連載企画内でキヨトマモルさんがいろいろな素材を試して、もっとも音質が良かったという「マホガニーツキ板+バックボード紙」のハイブリッド構造を採用したからです。

この振動板はね、実は私が切ったんですよ〜。素材自体はハサミやカッターで切ることができますが、やはりキレイな円形に仕上げたいので、丸く切れる「コンパスカッター」を使いました。カッターだけに、これさえあればゴンさんのようにキレッキレのダジャレが思い浮かぶことでしょう。

 

キットにはマホガニー天然木シール、バックボード紙、ゴムエッジが付属。

キレの悪いダジャレで悪かったね!

それはさておき、「コンパスカッター」は、自作をする人なら持っている人もいるかもしれないですね。

ですねー! 自分は持っていなかったので買いに行ったのですが、本格的なものだと2,000円〜3,000円くらいで、けっこういい値段するんですよね。

今回はそんないいやつじゃなくてもいいんだけどな〜と思いながら、いろいろなお店を探していたら……ありましたね、100円ショップで売っていました。小さい100円ショップだと取り扱っていないと思いますが、少し大きめのDIYグッズを扱っているようなお店でしたら、入手できるかと思います。今回はこれで充分でした。これがあればキレイに円が切れますよ。

 

ウレタンエッジは4個入り、リアバッフルも2ペア入っているので素材違いの振動板を貼って、交換できます!

このキットは、6cmのフルレンジ・ユニットに対して、パッシブラジエーターの口径が9cmあるという斬新な設計ですね。リア(背面)に振動板があるので、フロント(前面)のフルレンジと低音が干渉しにくいと思われます。

 

壁に近付けると低音の量感は増やせるのでしょうか?

ボードを立てて実験してみましょう。

 

かなり量感が増えますね。これなら低音不足に感じることはないと思います。

どの帯域の低音が出ているのが、簡易的に測定してみました。パッシブラジエーターが再生しているのは140Hzをピークにして、その前後ですね。フルレンジだけだと130Hzがピークですが、山は低くてなだらかです。

 

背面のパッシブラジエーターの周波数特性

 

フロントにあるフルレンジの周波数特性

ドロンコーンという名前とは裏腹に、いい仕事してますね、この振動板は。

このキットは、リアバッフル(背板)が取り外し式になっているので、吸音材を交換して音の違いを聴いてみましょう。パッシブラジエーターの素材による変化は、「Stereo」誌でもキヨトマモルさんが詳しく実験されているので、今回は吸音材を検証してみるということで。

鬼目ナットを使っているので、何度ネジを締め直してもネジ穴が広がる心配がないんですよ! 心おきなくセッティングを追求できます。

 

 

では、「第8回:吸音材によって音はどう変わる? 実践編」で使った吸音材を使って実験してみましょう。 まず、ニードルフェルトに入れ替えました。ヴィンテージ吸音材のほうが、高域のキレがいいですね。これはフルレンジに効いているのかもしれません。ボーカルの質感も少し違います。ヴィンテージのほうが透明感がありますね。

 

ヴィンテージ吸音材

 

ニードルフェルト

キットに付属しているフェルト系ヴィンテージ吸音材は、設計者のキヨトマモルさんが秘蔵していたものです。ひと味違う音がするに違いないと思っていましたが、期待を裏切りませんね。

今度は吸音効果の高い、シンサレートを入れてみましょう。全体的に音がクリアーになりましたね。リズムの刻みがハッキリしました。高域は今まで一番伸びています。Michael Jacksonはこれがいいです! 低域の量感は減って、かなりタイトなのが好みの分かれるところですね。

 

シンサレート

う〜ん、女性ボーカルは響きが減って少し寂しい感じですね。もっと量を減らせば、良くなりそうな予感がしますけれども。

今度は生成り真綿を入れました。ボーカルに透明感があって、なめらかな感じです。これは女性ボーカル向きです。低音に関しては、吸音しすぎてしまい迫力がなくなってしまいますね。

 

生成り真綿

パッシブラジエーター吸音材が控え目でいいんですね。全部抜くと、どうでしょうか?

吸音材を全部抜いてしまうと、音量を上げたときに低音が歪むのが早くなりますね。フルレンジの音も高音がきつくてザラザラした感じです。

やはりというか……。やっぱり吸音材は大事ということが改めてわかりますね。

トータルバランスで考えると、ヴィンテージ吸音材がベストでした。高音のヌケとメリハリ重視ならシンサレート。女性ボーカルのなめらかさを追求するなら、真綿がオススメです。どちらも量を調整すれば、もっといい音に化けるかもしれませんね。

パッシブラジエーターも、スピーカーの基本は同じだったんですね。私はもうそれがわかっただけでも今年は満足です。

来年はもっと、ろみーさんとともにパワーアップして、ゴンさんにオーディオのことに留まらず(?)、いろいろなことを訊いてゆきたいと思います! 今年1年ありがとうございました。みなさんも、よいお年を迎えられますよう祈っております!

私はこれ以上、たかゆきさんとろみーさんの自由奔放な感じがパワーアップしないことを祈りたいと思います。みなさま、よいお年を!

 

 

 

 

 

 

 


第17回:パッシブラジエーターとは何ぞや?

もう年末ですよー。こんな年の瀬ギリギリまであくせく働いているなんて、日本人の悪いところです。今回は冬休みということでお休みにしましょうよ……。

怠け者っ! イベントが終わって電池が切れたんですか!?

あはは、きびし〜! 今回ゴンさんに教えてほしいのが、このたびオントモ・ヴィレッジオンラインショップで発売された「パッシブラジエーター型エンクロージュア・キット」の、パッシブラジエーターについてです。これはなかなか面白い作りですよね。

ええ、今のたかゆきさんにピッタリです。

え? なんでですか?

パッシブラジエーターは、以前はドロンコーンと呼ばれていました。「ドロン」ってどうゆう意味だか知っていますか?

「ここらであっしはドロンしやす」のドロンですか?

言うと思った! ドロンは怠け者という意味です。

自分、こんなにキビキビ働いてます! いや〜、忙しい、忙しい。

さっき休みにしようとか言ってたでしょ! それはさておき、さすがに「怠け者」というのではイメージが悪いため、パッシブラジエーターになりました。通常のスピーカーユニットから磁気回路を取り除いたので、アクティブではなく、パッシブで動くという意味です。

パッシブ」って、なんだか英語の授業で習った気がします。受動態とかで出てきたかな。

そうですね。つまり、「受け身」という意味になるわけですが、パッシブラジエーターの仕組みを考えると、言い得て妙な部分があります。

ほほう! 具体的には?

パッシブラジエーターは、さきほども少し触れましたが、磁気回路がなくても動くんです。

なぜっ!? 魔法か? いや、さては……忍者の仕業かっ!?

さっきのドロンの続きってわけですか? そうじゃなくて、実はバスレフと同じ原理で動いているんですね。つまり、バスレフポート(バスレフ型のスピーカーに設けられる穴のこと)の代わりをパッシブラジエーターが果たしているんです。

だったら、バスレフと変わらないじゃないですか。わざわざパッシブラジエーターにする意味ってあるんですか?

バスレフポートだと何mもの長さになる設計でも、パッシブラジエーターなら実現可能なサイズに収まるんですよ。バスレフと比較すると、クセが少なく、ダクトの風切り音が出ないというメリットがあります。

んー、納得しがたい。だって、そんなメリットがありながら、世の中のスピーカーは圧倒的にバスレフ型が多いじゃないですか。なんでですか?

簡単な話。パッシブラジエーターのほうが、コストがかかるからです。

そこかいっ!

コストは重要ですからね。パッシブラジエーターは専用のユニットが必要になり、材費、加工費のアップにつながります。

唯一、パッシブラジエーターが盛んに使われているのは、Bluetooth方式の防水防塵タイプです。バスレフにするとダクトを防水にできないので、どこにも穴のないパッシブラジエーターを採用して、低音の量感を稼いでいます。

パッシブラジエーターバスレフの発展型というのはわかりましたが、それなら大口径ウーファーを搭載した密閉型と、どこが違うのでしょうか?

エンクロージュアのサイズがまったく同じなら、パッシブラジエーターのほうが低域の再生限界を伸ばせます。密閉式はタイトでキレのいい低音が出せます。パッシブラジエーターにすれば、量感のある低音が得られます。

大型のフロア型がパッシブラジエーターを採用することは珍しく、AV用で低域の限界を伸ばしたいトールボーイ型なら使われるケースがあります。

パッシブラジエーターが、フロントバッフルに付くタイプとリアに付くタイプがありますが、これはどうしてですか。

これもバスレフポートと同じで、正面に付けるのは音量優先。その場合、低音の量感が出せますが、主張しすぎると違和感につながります。背面であれば音色の違いが薄められ、壁の反射を利用すれば量感をアップさせることもできます。

すると、パッシブラジエーターは大型や中型スピーカーより、小型スピーカーで使ったほうがメリットが大きいわけですね。

その通り! 日本でパッシブラジエーターが有名になったのは、JBLの傑作フルレンジスピーカーユニット「LE8T」のために設計された20cmパッシブラジエーター「PR8」が登場した1966年頃からです。白いコーンがまぶしかったな〜。

L75 MINUET」がコンパクトなツインスピーカー搭載スピーカー。そして壁掛けに対応したスリムな「L54 Trimline」。手彫り格子グリルでデザインのインパクトも強かったJBL「Olympus」にもLE15というパッシブラジエーターが採用されました。

この辺りからパッシブラジエーターが日本でも認知されてきました。もちろんドロンコーンという名前で。

あんまり話が長いとドロンしちゃいますよー。

おっと、つい昔話に夢中になってしまいましたか。でも、JBLにそんなユニットがあったなんて、知らなかったでしょ。パッシブモードなたかゆきさんをアクティブモードにするべく、次回は実際にそのパッシブラジエーター型エンクロージュア・キットを鳴らしてみましょうか!

 

 

 

 

 

 

 


第16回:「ハイレゾパーク with 8cmクラブミーティング」レポート!

本日12月1・2日は「ハイレゾパーク with 8cmクラブミーティング」の取材にやってきました〜。たかゆきさんもスタッフとして参加していますね。このイベントは雑誌の付録のスピーカーアンプを使って、手軽にいい音を追求するためのノウハウ提供やパーツ販売を行なっています。

 

神田神保町の書泉グランデ7階イベントホールで開催。会場へは6階から階段でアクセスする。

あ、ゴンさん、ようこそ! 今日、私はオントモ・ヴィレッジのスペシャルプログラム「スーパースワンとコサギを聴き比べ」のイベント要員として来ています。しかし、書泉グランデさんの6階には鉄道に関する本やグッズが充実していますので、そちらも気になって仕方がありません。

どっちがメインで来てるんだか!

はははっ、仕事はきっちりやりますよ。イベントとしてはMQA(Master Quality Authenticated)音源を聴いたり、フォステクス製スピーカーのデモが行なわれたりと、盛り沢山の内容です!

へぇ〜。スピーカー自作派ラズパイ好きが集まるイベントっていうことかな。それらに興味のある人はもちろん、そうでない人もぜひ立ち寄ってほしいですね。初心者には優しく説明いたします。ちなみに私もFacebook公開グループ8cmクラブ会員です。

イベントと物販の両方が楽しめるのも特徴で、雑誌に掲載されているスピーカーの音を実際に聴く機会って、意外と少ないんですよね。また、オントモ・ヴィレッジのオリジナルグッズが会場特価で手に入るチャンスでもあります。おっと、そろそろイベントの司会に行かなくちゃ! 出発進行〜。

 

二子玉川にあるFOSTEX(フォステクス)ショールームの荒谷さんがスーパースワンについて解説中。左手に見切れているのがたかゆきさん。

「仕事きっちり」って言ってたのに、やっぱり鉄分が抜け切れていませんでしたね……。それにしても、フォステクスさん所有の長岡鉄男氏設計「スーパースワン」とオントモ・ヴィレッジでエンクロージャア・キットが発売中の炭山アキラ氏設計の「コサギ」が対決するなんて見物です! さすがに低域の再生限界は箱の大きな「スーパースワン」が有利でしたが、音場感の再現性では「コサギ」も一歩も譲りませんね。どちらも低域の出方が似ていて、市販のバスレフ型とはひと味違うことを実感できました。

いや〜、司会は毎回緊張しますね。でもお蔭様で大盛況のイベントになってよかったです。「コサギ」の音は6cmフルレンジとは思えませんね。在庫残りわずかとなってきていますので、ぜひ皆さんもチャレンジして欲しいキットです。

パーツが35枚×2あるんだよね〜。あと、ハタガネも4本は必要。コレを完成させるのはなかなか大変ですね。音が出たときは感激はひとしおだと思いますが。

自分も挑戦してみましたが、とても作り甲斐のあるキットでした。作り始める前の「自分にできるかなー」というドキドキ感と、作り終えたときの充実感、そして最初に音を出したときの達成感といったら。これはもう自分で組み立てるからこそ味わえる体験だと思います。「コサギ」は中級者向けといったところかもしれませんが、オントモ・ヴィレッジではもっと簡単なエンクロージュア・キットも取り扱っていますので、ぜひ皆さんにも挑戦してみてほしいですね!

そしてこちらが、イベントでも人気だったMQAの試聴ブース。ハードウエア・エンコードできる製品もぼちぼち登場。「オーディオ折り紙」の原理は難しくてちんぷんかんぷんだが、ファイルサイズが小さくて高音質なのは有り難い。そのリンギング(波形の歪み)の少ない音をぜひ体験して欲しいですね。

 

MQAブースでは、SENNHEISER(ゼンハイザー) HD800とPrime(プライム) ヘッドフォン・プリアンプの組み合わせでMQA音源を試聴できる。

MQAPCMとの互換性が確保されているので、DSDのように再生できるかどうか心配する必要がないらしいですね〜。

DigiFiブースで最も人気があったのは、意外にもASKAの2枚組アナログレコード「Too many people」でした。私の予想はお得なセット「DF1516SP」が売上No.1だと思ったのですが……。

 

アナログレコードが注目を浴びたDigiFiブース。

 

D/DコンバータとDACが一体型になったスパーバリュー6点セット「DF1516SP」と、パワーアンプ2個でバイアンプ駆動ができる3点セット「DF1717SP」が先行販売された。

ラズパイオーディオの会」には私も興味がありますね。ちょっと敷居が高いと思われるRaspberry Pie(ラズベリーパイ)ですが、いろいろ可能性を秘めていそうで知れば知るほど美味しく楽しめそうです。

 

参考展示が気になる「ラズパイオーディオの会」のブース。最先端ハイレゾデジタル環境が驚異的な低価格で構築できるのが魅力。わからないことはサポートに電話ではなく、ネットで検索できる人に向いている。やってみると意外にカンタン!

私が気になったのはオペアンプの違いによる音質の違い。値段の高いオペアンプが、必ずしも自分にとってのいい音とは限らないのが面白い。部品単価で考える一点超豪華主義です。

 

DigiFiではヘッドフォンアンプの交換用オペアンプをペアで販売していた。

ゴンさん、これ見てくださいよ! エンクロージュアと言えば、木材が定番だと思っていましたが、アルミ合金製のものなんてあるんですね!

 

アルミの地を活かしたサンドブラスト仕上げの製品が並んだ、プラストワークのブース。

これはアルミ削り出しシャーシでお馴染みの、プラストワークが作っているんですよ。トゥイーターエンクロージュアはいいですね〜。カスタムオーダーできないかなあ。その隣が定番のN2 Factoryのアルミケースです。こちらも完成度が高くてコンパクトなので、デスクトップ用に最適。私も愛用しています。

 

DigiFiの付録用ケースを製作しているのがN2 Factoryである。

 

最新作はDACボードに対応した05X(試作品)なのだ。

 

リアパネルもしっかりした作りでヘビーなケーブル端子に対応。

 

こちらも試作品で横置きのフェーダーBOX。左右独立型でミキシングコンソール思わせる。

これは面白い。平面振動板じゃなくて、これはアクチュエーターを使って何でも鳴らせるスピーカーですね!

あおごちが参考展示していた桐パネルスピーカー「CONSONO」ですね。8cmスピーカー用アクリルチューブ・エンクロージュアも展示されてました。前回との違いは密閉からバスレフ型になったことです。

大面積の桐パネルスピーカーのインパクトが強い!

 

裏面には2個のサウンド・エキサイターが貼られてステレオ再生中。

 

アクリルスピーカーの側面にはネコのイラストが入っている。

xDuooMDP(ミュージックデジタルプレーヤー)とヘッドホンアンプも展示されていました。真空管式ヘッドホンアンプが渋いですね。

 

ハイコスパで耳に優しい音、最新機能の導入も早いxDuooはポータブルオーディオマニアも注目中。

 

φ2.5mmからφ4.4mmのバランス変換プラグ。これは貴重だ。

私が購入したのはSIAが販売していたCopperColorのヘッドフォン・スタンドです。SONOMAのヘッドフォンはレモコネクターを使っているのでスタンド高が必要なのですが、これは大丈夫でした。こんな掘り出しモノがあるのもハイレゾパークの魅力ですね。

 

3,980円のヘッドフォンスタンドが2,000円税込だった。

 

ハンガーに厚みがあるのでヘッドフォンのイヤーパッドへのダメージが少ないのがポイント。作りも仕上げも文句ナシ。

何か「お忘れ物」がございませんか〜? オントモ・ヴィレッジのブース紹介がまだですよ! スピーカー・ユニットエンクロージュア・キットからアナログレコード、さらには噂のDRESSINGまで。これは見逃せませんね。お乗り遅れのないようご注意くださーい。それでは、私は6階へ「急行」いたしますので、あとは店番をよろしくお願いしま〜す!

 

物販満載のオントモ・ヴィレッジのブース。普段はなかなか見られないエンクロージュア・キットの内部構造やスピーカー・ユニットを展示。

あ、ちょっと、ちょっと! え、え〜っと……。今回の目玉はパッシブラジエーター型エンクロージャア・キットです。ということで、次回から2回にわたってパッシブラジエーターを徹底研究していく予定なのでお楽しみに! あ、お客様、いらっしゃいませ。たかゆきさん、早く戻ってきて〜!!

 

 

 

 

 

 

 


第15回:モバイルに最適なイヤフォンを探したい!

自宅で楽しむならヘッドフォンですが、モバイルで使うなら、やっぱりイヤフォンですよね〜。

けいおん」が放映された時は、秋山澪が使っていたヘッドフォン、AKG(アーカーゲー)「AK701」が街中に溢れたんですけどねえ。

澪ホンですね! 京アニの細部へのこだわりで、すぐに型番が特定されたんですよね。クラシックファンとしては「響け!ユーフォニアム」推しです! 5kg近くもある、あのデカくて抱き心地よさそうな楽器を、華奢でかわいくて頑張り屋さんの主人公が演奏している姿が……グっときます……!

おおー! 私は凸守推しなので劇場版「中二病でも恋がしたい!」が……じゃなくてイヤフォンの話ですね。イヤフォンヘッドフォンよりも鼓膜に近い位置に振動板があるため、ワイドレンジでダイナミックレンジも広くとれますが、耳に異物が入っているので不自然な感じもしますね。

まさかの凸守推し……え、えっと、耳に入れるサイズだとヘッドフォンよりも、振動板の面積が小さくなっちゃうと思うのですが、それで低音から高音まで再生できるのでしょうか?

それはドライバーが鼓膜に近く、小音量で鳴らせばいいため問題ありません。ただし空間が狭いので、空気が押されるような低音の量感は出せませんね。

すると、イヤフォンはすべてフルレンジで、ドライバーは1個と考えていいんですか?

ところがどっこい、マルチドライバーもあるんですよ。またハイブリッド型とか平面駆動型とか、静電型もあります。

えええ〜、それじゃあスピーカーと変わりませんね。でも、マルチと言っても、こんな小さい部分に3つも4つも振動板ドライバーは入らないですよね〜?

ところがどっこい、3way12ドライバーのiriver(アイリバー)「Roxannell」というモデルがあります。

お話が違うじゃありませんか! フルレンジでも大丈夫、という舌の根が乾かぬうちに、スピーカー以上にマルチドライバーがあるなんて、理由をお聞かせくださいっ。

ああ、混乱させちゃいましたね。マルチドライバーBA型に限ったことなんです。BAとはバランスド・アーマチュアのことで、イヤフォンにしか使われないドライバーの形式。もともと補聴器用です。なので、人の声の帯域の再生が得意で、歪みが少なく、ハイスピードで繊細な音まで再生できます。しかし、レンジが狭いので、オーディオ用に不向きでした。マルチドライバーで使うことで、音楽再生に必要なレンジを確保したんです。

 

透明なハウジングから透けて見える、金属製の四角い箱のように見えるのがBA型ドライバー。

BA型、なんか血液型みたいなドライバーですね。マルチという響きが高性能そうですが、音は本当に良いのですか?

最初はドライバーのサイズが大きかったので、耳型を取ってから、その人専用に作るカスタム・イヤーモニター、略してイヤモニにしかマルチは使えませんでした。その音質の良さが評価されて、ドライバー自体の小型化に成功し、現在ではユニバーサル型にも広く使われるようになりました。

イヤフォンだけの形式と知ると、聴いてみたくなりますね。結局、BA型のほうがダイナミック型より音が良いと思っていいのですか?

どちらの良さもありますね。低域の量感が出しにくいBA型の替わりに、ダイナミック型ウーファーを搭載し、高域が得意なBA型と組み合わせてハイブリッド型が生まれました。ドライバーの数を増やすほど、周波数帯域ダイナミックレンジでは有利になりますが、スピーカーと同じで低域と高域に音楽信号を分けるためのネットワークが必要になります。すると、ネットワークによる位相の乱れや音質劣化という問題が出てきます。

 

ダイナミック型とBA型のハイブリッドで、しかも同軸型を採用しているAZLA「AZLA」。

 

円筒形のハウジングの中に同軸ユニットが収められている。

 

ダイナミック型の振動板の中心部に穴があり、BA型ドライバーが貫通する構造だ。

もちろん値段も高くなるんですよね。よし、決めました! 私はダイナミック型シングルドライバーにします。

決断が早いですね、しかも理由がコスパですか。実はBA型シングルドライバーもあるんですよ。まあ多数派はダイナミック型シングルドライバーですが。

コスパ大事! 私はノイズキャンセリング・イヤフォンに興味があるのですが、上級モデルになると、この機能が付いてるイヤフォンがなくなるのはなぜでしょうか?

ノイズキャンセリング機能は周囲のノイズをマイクで集音して、それと逆相の信号を合成してドライバーから出すことで、ノイズを打ち消しています。この仕組みにはアンプ電源が必要になり、余計な信号を音楽信号に加えることになるので、ピュアオーディオ的には嫌われます。さらに、カナル型イヤフォンは耳にしっかり差し込むため、そもそも周囲のノイズの減衰効果が高く、音楽を再生すれば、そんなに気にならないと思います。

でも、出張で航空機や新幹線に乗ったときに便利なんですよ。音楽を聴かずに安眠したいときに欠かせません。

いやいや、音楽聴かないならイヤフォンの必要ありませんよね! 「デジタル耳せん」を使ってください!

でも、普段は音楽も聴きたいんですよ〜。

これは私の個人的な印象ですが、ノイズキャンセリングは、イヤフォンよりヘッドフォンのほうが効果的で快適だと思います。

そうなんですか? ヘッドフォンだとソニーとかボーズとか有名ですよね。高価なイメージです……イヤフォンカナル型だと遮音効果が高いんですね。それなら音楽を聴かなければ耳栓になるかもしれません。

実際に、カスタム・イヤモニメーカーのFitEar(フィットイヤー)では、耳型から作る耳栓「フィットイヤー・サイレンス」も販売しているんですよ。

カスタム・イヤモニの密閉度の高さを活かしたんですね。ではイヤフォン単体は、シングルドライバーダイナミック型で充分ですね!

そうですね、売れ筋なので種類も沢山ありますよ。まずは3000円〜5000円のボリュームゾーンを試聴して、自分好みの音色を見付けてください。あとは予算に合わせて、そのシリーズの上級モデルを狙うという方法もありますよ。

 

ダイナミック型で人気のfinal「E2000」は実勢価格約4400円と5000円。

 

ダイナミック型シングルドライバーのハイエンド、DITA「Dream」は限定販売で既に生産終了。オークションでは25万円以上で出品される人気モデルだ。

 

DITAのプラグは交換式になっていて4.4mm、3.5mm、2.5mmに対応できる。これはスマートな方式である。

 

平面駆動型のイヤフォンのハイエンド、AUDEZE「LCDi4」は軽い装着感でヘッドフォンを超える広い音場を再現する。新世代の平面型である。

はぁ〜多すぎて決められません〜。

ONKYO(オンキヨー)「E700MW」が「響け!ユーフォニアム」とコラボした限定モデルがあったのですが……期間限定予約販売なので、もう完売してますね〜。

そうなんですね! コラボモデルって意外とあるんですね〜。これからは小まめにチェックしたいと思います!

 

 

 

 

 

 


第14回:ヘッドフォンの種類が多すぎて、わからない!

今回から、秋の風物詩であるヘッドフォン祭に登場した新製品を中心に取り上げながら、ヘッドフォンイヤフォンについて2回に渡って解説していきます。生徒役は最近、ヘッドフォンに興味津々のろみーさんです。

11月初旬と言えば、神楽坂「まち飛びフェスタ」や「神保町ブックフェスティバル」で大忙し! 中でもイチオシは神田カレーグランプリですよね〜。有名カレー屋さんが20店舗も一堂に会して、雌雄を決するんですよ!

私はマンダラのカシミールカレー推し……じゃなくて、ヘッドフォン祭は中野サンプラザで11月3日・4日の2日間で100社以上が展示して、のべ1万人もの入場者が訪れる人気のイベントなんですよ〜。

100社以上もヘッドフォンを作っているメーカーがあるんですか! 驚きです。しかもお値段もいろいろですよね。高級なヘッドフォンは10万円以上するんですか?

前回、展示されたSENNHEISER(ゼンハイザー)『HE 1』は600万円、HIFIMAN(ハイファイマン)『SHANGRI-LA』は594万円と、この2モデルは桁違いでした。

 

SENNHEISER『HE 1』の大理石製ヘッドフォンアンプは、電源を入れるとヘッドフォン・ケースのふたが開き、真空管がせり上がってくるのだ。

 

HIFIMAN『SHANGRI-LA』の平面駆動で静電型ヘッドフォン。大面積の振動板を採用したオープン型である。

 

直熱三極管の傑作300Bをプッシュプルで使った専用ヘッドフォンアンプ。発熱量が多く、冬は暖房器具にも使える!?

ちょっ、それ高級外車が買えるお値段ですよ! どうしてそんなに高いんですか? てか、一番高い部品は何ですか?

どちらもハイエンドモデルですからね。メーカーの威信を掛けて、コストを気にせず音質を追求した結果の価格ですね。高い部品はもちろん使っていると思いますが、目に見えないコストもかかっていますよ。例えば、試作機を100台以上作ったとか。研究開発費、人件費、それで受注生産ですから数が出ない。すると、1台にコストが重くのしかかるので、コスパが最悪になります。量産効果の逆パターンですね。

ほほー。今回、ハイエンドはヨコに置いといて、もう少し一般的なヘッドフォンのお話しをお願いしますね。まず、ヘッドフォンにはどんな形式があるのでしょうか?

構造的に、密閉型セミオープン型オープン型という順番で開放的になりますが、遮音性が悪くなります。モバイル用は密閉型、自宅で楽しむならオープン型が向いています。低音再生で有利なのは密閉型、情報量とレスポンスはオープン型が有利です。

私が気になるのは、アーティストが必ずと言っていいほどレコーディングのときにしている、ソニーのヘッドフォンです。あの赤い横ラインが入っているやつ!

えーと、SONY「MDR-CD900ST」のことですね。1989年に登場したモニターヘッドフォンの代名詞、イヤーパッドが浅くて、耳に厳しく、音が直撃します。輪郭のハッキリした音で、スピード感があり、低域はタイト。周囲の音を遮断するために密閉型を採用しています。

モニターヘッドフォンって何ですか。やっぱり普通のタイプよりも高価なんでしょうか? TVの音楽番組では必ずこれで聴いてますよね。

この「MDR-CD900ST」は15,000円(税別)です。モニター用は音楽自体を楽しむのではなく、演奏や録音された音楽をチェックするためのモデルです。音に色付けなく、アラがあればそのまま再現する必要があります。無色透明の原音再生が理想で、価格は安価なものから高価なものまで色々あります。ただし、ハイエンドモデルは業務用モニターではなく、コンシューマー用モデルがほとんどです。

へぇー。モニターは意外とお手頃価格からあるんですね。でも、音楽を楽しむのが目的なので、私はコンシューマー用から選びます!

オッ、ろみーさん、買う気満々ですね。密閉オープンは構造上の分類ですが、音を出すためのドライバーの形式や振動板の形状からも分けられますね。大きく分けると、ダイナミック型ドライバー平面駆動の静電型ドライバーになります。平面駆動のダイナミック型もあります。

スピーカードーム型みたいなのと、平面型があるということですね。ダイナミック型静電型はどう違うのでしょうか?

まず、ダイナミック型ですが、スピーカーと全く同じ原理で動いています。柔らかいエッジで支えられた円錐形または半球型の振動板に取り付けたボイスコイルに電流を流すことで動かしています。詳しくは第3回でおさらいしてください。

 

beyerdynamic(ベイヤーダイナミック)のダイナミック型ドライバーの分解図。振動板は半透明だが、ほぼスピーカーユニットと同じ構成だ。

 

ULTRASONE(ウルトラゾーン)「Edition15」に使われているゴールドとチタンのハイブリッドな振動板。

 

フランスFOCAL(フォーカル)のアルミ・チタン製振動板のドライバー。手前はベリリウム製の振動板のドライバー。

 

FOCALのヘッドフォンに使われているボイスコイル。指先に乗せられるサイズだ。

なるほど、メーカーがこだわっている部分は振動板ドライバーなのですね。スピーカーと同じ構造なら、イメージが湧きやすいですね。

静電型は、これとはまったく違う方式で振動板固定電極の間に直流電圧をかけて、これに音声信号を加えることで駆動します。平面振動板専用の方式で歪みが少ないのがメリットですが、振幅がとれないため量感のある低音や、大音量を出すのが難しい方式になります。あと専用アンプも必要ですね。

 

スタックスの静電型ヘッドフォン。同社ではイヤースピーカーと呼称している。左に見えるのが専用ヘッドフォンアンプ。

 

Mrspeakers(ミスタースピーカーズ)が参考出品した静電型ヘッドフォン。スタックスの規格と互換性があり、スタックス製のアンプに接続可能。

 

今回初登場したABYSS(アビス)の新製品「Diana」。女性をイメージしたデザインで、カラーはコーヒーブラウン。ダイナミック型の平面駆動ヘッドフォンである。

 

お洒落な布製ポーチ付きで、ろみーさんにオススメ!

うーん、静電型は個性派なんですね。スピーカーにも平面型がありますが、ヘッドフォン平面型には、どんなメリットがあるんですか?

平面型は、振動板全体を駆動するために、振動板の位置によって動き方がまちまちになる分割振動と呼ばれる現象がおこりにくく、歪みが少なく、解像度が高いのが特徴ですね。主にハイエンドモデルに使われてきましたが、最近では平面駆動型のみのメーカーMrspeakersが登場、日本製ではfinal(ファイナル)が平面駆動型の新製品をヘッドフォン祭でお披露目しました。

 

finalのダイナミック型の平面駆動ヘッドフォン「D-8000」388,000円(税込)。繊細な音と豪快な低音を両立した新製品。

確か、ゴンさんの使っているスピーカー平面駆動型ですよね。もしや、ヘッドフォン平面駆動型ですか!?

よくぞ、聞いてくれました。SONOMA(ソノマ)の「Model One」です。平面駆動静電型で専用のDAC内蔵ヘッドフォンアンプで鳴らすタイプです。色付けのない音で、オーケストラを遙か高みから俯瞰するように描きます。清廉潔白な乙女のようなヘッドフォンで、第四次聖杯戦争のサーヴァントで言えばセイバー、アルトリア・ペンドラゴンですね。

 

SONOMA「Model One」の振動板は薄さ15μmしかない。6角形から3角形までで構成されたグリッド内の振動板が独立して動き、マルチWayスピーカーのような役割を果たす。

わっ、真名きた! 生真面目で空気を読めないクラス委員長的性格で、完璧な王を目指すあまり、部下の人心を把握できず、王は人の心が分からないと言わしめた……じゃなくてー! 一般的なダイナミック型の話に戻りますよっ。ヘッドフォン端子にはいろいろな形があるのはなぜなんですか? 標準とかステレオミニとか。

そ、それは面倒な話題なので、別の機会に……え、ダメなの? 今すぐ知りたい? ……もともとのヘッドフォン端子は6.3mm標準プラグです。モバイル用機器のために小型化された3.5mmステレオミニが登場しました。業務用でロック機構付きのXLR端子もあります。こちらは端子の数が3pin4pinがあります。最近は4.4mm 5pinも登場しました。

なんで、たくさん端子の種類があるんですか? 覚えるの大変だから、統一してくれればいいのに!

接続方式の違いから必要な端子の数が違うからです。その内容については省略しますが、バランス接続アンバランス接続があり、下記の端子が対応しています。

 

  • 2.5mm 4pin バランス接続
  • 3.5mm 4pin バランス接続
  • 3.5mm×2 バランス接続
  • 4.4mm 5pin バランス接続
  • 6.3mm×2 バランス接続
  • XLR 4pin バランス接続
  • XLR 3pin×2 バランス接続

 

  • 3.5mm 3pin アンバランス接続
  • 3.5mm 4pin アンバランス+リモコン接続(主にスマホ用)
  • 6.3mm 3pin アンバランス接続

ははぁ〜、聞かなきゃよかったと思うくらいバランス接続がたくさんありますが、一般的なんですか?

バランス接続は音質重視の接続方法で、最近ヘッドフォン界でブームになっていますが、規格が統一されず、さまざまな接続方法があります。もっとも新しいのが4.4mm 5pinで、採用するメーカーが増えればオーディオ界の新標準端子になるかもしれませんね。バランス接続は、ヘッドフォンアンプの両方が対応している必要があり、なかなか面倒です。一般的に、据え置き型ヘッドフォンアンプ標準プラグ、モバイル機器はステレオミニだったのですが、最近は据え置き型ヘッドフォンアンプがステレオミニを採用することもありますね。高級機ならバランス対応になります。

え〜、それだとヘッドフォンヘッドフォンアンプデジタル・ミュージック・プレーヤー(DMP)の組み合わせが限られちゃいますね。

中級機以上のヘッドフォンならケーブル交換、今風に言えばリケーブルに対応したモデルが多いので、ケーブルごと端子を交換できます。ケーブル専門メーカーからさまざまな端子のケーブルが発売されていますよ。また、標準ステレオミニアダプターでも変換できます。

リケーブルって、そのためにあったんですか。最初から2種類のケーブルが付属しているヘッドフォンもありますよね!

そうですね、3mの標準プラグに1.2mのステレオミニとか。また高級機では、音にこだわったバランスケーブルが付属していることもありますね。

端子の種類だけで、ここまで深いとは! しかも100社以上もメーカーもあるのなら、私にピッタリの1台が必ずありますよね。音が良くて、お洒落で、軽くて、収納性が良くて、ケーブル交換対応で、ハイコスパなモデルが!

そういうモデルを発見したら、私にも教えて下さいね。速攻で購入しますから。次回はイヤフォンについて考察しましょう〜。

 

 

 

 

 

 


第13回:敷くだけで音が良くなるって、本当!?

ゴンさ〜ん、ご存じですか? オントモ・ヴィレッジOnline Shopでは12月10日まで「音質向上キャンペーン」を実施中なんですよ!

いやいや何にも聞いてないよ、秋の全国交通安全運動なら知ってるけど。あっしには関わりのないことで御座んす

そないないけず言わんと、キャンペーン対象商品のレイヤーフェイス・ボード・インシュレーター無垢オーディオボードの効果を、検証してみておくれやす。

連続テレビ小説「わろてんか」ですか。私は「アシガール」のほうが好きなんですけど。まぁ、それは置いといて、オーディオのアクセサリーは、使う環境や機材によって効果があったりなかったりするので、なかなか取り上げるのは難しいですよ。拙宅の環境で良ければ試してみましょう。

くぅー、栞サマの素敵さを熱弁したいところですが我慢……。それにしても、どんな効果があるか、ドキドキものです。だいたいインシュレーターって何ですか? 直訳すると絶縁材

オーディオシステムの大敵の一つに、振動があります。コンポが置かれているラックや床からの振動をいかに防ぐか。コンポ自身の振動をいかに素早く減衰させるか、または床に逃がすか。これを助ける働きをするのが、インシュレーターです。

そうすると、オーディオボードインシュレーターなんですか?

オーディオボードインシュレーターの仲間で、コンポを面で支える場合にボードと呼びます。

へぇー。インシュレーターの素材は、木以外にもあるのでしょうか?

素材はさまざまです。床に振動を逃がす役目を果たすのは、メカニカルアースとも呼ばれ、金属やセラミック、人工大理石などの硬い素材を使い、円錐形に先端を尖らせたスパイクを使います。ガタを嫌って4点支持よりも3点支持のほうが人気があります。メーカーも3点支持を採用して、純正の脚がスパイクというパワーアンプもあります。

 

これに対して、3点支持で、スプルース単板とカエデ材を使った、木の脚をもつパワーアンプもあります。硬い金属ではなく、柔らかい木の響きを活かしたインシュレーターで、楽器的な考え方ですね。もっと柔らかいゴムや空気を使ったインシュレーターもありますよ。

空気! クルマのエアサスペンションみたいなものですか? なんだかフワフワしそうですね〜。

そうですね、こちらのアナログプレーヤーは、トーンアームターンテーブルを空気でフローティングしています。

おぉ、すごい、浮いているのですね。これならLPレコードを聴いているときに、スイーツを取りにキッチンまで歩いて行っても、針が飛びませんね!

アナログプレーヤーは振動に弱かったので、さまざまな方式が製品化されました。テニスボールみたいな脚もありましたね。

それでは、いよいよロシアンバーチを縦目に使ったレイヤーフェイス・ボード・インシュレーターを使ってみましょう。日本で唯一、ロシアンバーチ(白樺)を扱うテツヤ・ジャパンにStereo誌が製作を依頼した製品ですね。

 

内部にモーターをもつCDプレーヤーに使うのが常道ですが、私はUSB/DACの下に敷きました。DACの脚は通常のゴム脚で4点支持です。試聴はハイレゾ音源を使い、アンプは真空管アンプ・キットTU-8200」のコンデンサーと抵抗を高音質部品に交換したもので、真空管はJJ/6L6CGを使っています。スピーカーはIshida modelです。

 

左からレイヤーフェイス・ボード・インシュレーター(2本組み)、無垢オーディオボード ブラックウォールナット、無垢オーディオボード ハードメイプル。

 

無垢ボードには木工房アクロージュ・ファニチャーの焼き印が押されている。

ちなみに、ここではあえて振動の影響を受けやすい真空管アンプを使っているんですよね、単なる真空管キット自慢じゃないですよね、ゴンさん?

実は、300Bシングルのキットも完成したところで、これが整流管を使った直流点火で、出力管用のハムバランサーも……

おっととと! そのお話はまたの機会にしてもらって、ボード・インシュレーターの試聴結果をお聞かせよし!!

はいはい、手嶌葵「I Love Cinemas -Premium Edition- / Calling You」(96kHz/24bit)を聴くと、S/N感が向上して、ボーカルがよりセンターにフォーカスして音量が上がったように聴こえます。瑞々しい音で、キツイ部分が柔らかくなります。振動に強そうなイメージなDACですが、意外に効果ありました。副作用がないので、女性ボーカルをよく聴く人に試して欲しいですね。

 

レイヤーフェイスとは、ロシア白樺耐水合板の積層部を表面にした集成材。模様が美しい。

効果があって良かったです。もっと効果がありそうな真空管アンプではどうですか?

同じような傾向ですね、S/N感が向上。音像定位は良くなるという効果がありました。しかし、変化の度合いは、アンプよりもDACのほうが大きいと感じました。

えっ、それは予想外ですね、真空管アンプ、結構振動に強いのかしら。では、いよいよ無垢オーディオボード ハードメイプル(受注生産/48,000円)を試してください。

Yuji Ohno & Lupintic Five with Friends「BUONO!! BUONO!! / THEME FROM LUPIN III 2015〜ITALIAN BLUE ver」(48kHz/24bit)を聴きます。中低域の厚みが増えて、歯切れも良くなりました。音が前に出る。響きが増えた感じ。スピード感も出ますね。先ほどより、さらに効果があります。ボードを敷くだけで、こんなに音が変わるとは思いませんでした。

このボードは、無垢スピーカーIshida modelを作った木工房アクロージュ・ファニチャーStereo誌のコラボ企画第2弾なんです! 代表の岸さんは、木の話をするときは目をキラキラさせて、とても熱心に私たちの要望に応えてくれたんですよ。

10月29日〜11月3日までの「神楽坂まち飛びフェスタ」に向けて、アクロージュ・ファニチャーの岸さんがご自宅用に制作したオール無垢材のラック一体型スピーカー。若かりし頃に夢中になったという岸さんのオーディオ熱を刺激してしまったようです。デザインも音も小社で大好評。

職人気質なのですね。好きなことの話は尽きない……その気持ち、わかります。で、ハードメイプルは、真空管アンプの下に敷いた場合には、低音の量感が豊かになりますね。重心が下がってきました。音色はウォームで、女性ボーカルはやや明るい感じです。

では最後に、無垢オーディオボード ブラックウォールナット(受注生産/50,000円)ではどうですか?

Ishida modelと同じブラックウォールナットですね。DACの下に敷くと、ウッドベースの量感が増えます。中低域の厚みに効果的ですね。力強い音。サックスはややおとなしくなるかな。女性ボーカルは高域に透明感があって美しいです。音色はややクールになりますね。真空管アンプの下に敷いても同じような傾向です。ハードメイプルより渋い音、いぶし銀のような感じです。

 

森恵「Re:Make1、Grace of the Guitar、COVERS Grace of The Guitar+ / 残酷な天使のテーゼ」(48kHz/24bit)の1分40秒過ぎから、2台のギターの掛け合いになりますが、この音色がいいですね、痺れます。いままでは高域がチャラチャラした安物のギターでしたが、ブラックウォールナットを敷くと響きがリアルな高級ギターになりました。

やっぱり木の材質によって、音の傾向も変わるんですね〜。ゴンさんはどちらがお好みですか?

せっかく2枚あるので、DACの下にハードメイプルを、アンプにはブラックウォールナットを敷いてみました。Yuji Ohno & Lupintic Five with Friends「BUONO!! BUONO!! / THEME FROM LUPIN III 2015〜ITALIAN BLUE ver」(48kHz/24bit)では、キレの良さとウッドベースのふくよかな低音が両立されますね。音量を上げてもうるさくなりません。

 

ほぼ10万円のペアですが、ケーブルを買うよりも、モノとしての所有感が満たされます。

 

真空管アンプTU-8200が小さく見えるフルサイズ対応の無垢オーディオボード。サイズはW485mm×D440mm。厚さ22mm。

確かに2枚使うのもありですね。さらにスピーカーの下にも敷くといいと思います!(ギラギラ)

そう思って試してみました。白樺(ロシアンバーチ)はS/N感が向上して、ボーカルがクッキリしますね。高域は落ち着きました。

ハードメープルでは、さらにS/N感がよくなり、細かい響きがよく聞こえるようになります。粒立ちがよくハッとするほど生々しい音になります。音色はやや明るく、高域は少し鋭くなります。

ブラックウォールナットは、落ち着いた音で、ややダークな音色になりました。落ち着いた感じです。しっとりとした大人のボーカルですね。

どのコンポの下に敷いても効果があって、良かったです。ブラックウォールナットは渋めの音だったんですねー。音の好みによって素材が選べるオーディオボード、敷くだけというシンプルさが、ビギナーにも優しいですね。

面積の広いボードなので、ベテランならコンポとの間にさらにインシュレーターを挟んで自分好みの音を追求できますね。立派な無垢板なので、ハイエンドモデルとの相性も抜群です。

仕上がりは、さすがの無垢材の扱いに長けた家具工房だけあって、肌触りもよくて美しいですよ! 上質感ありますよね。音が良くなって、インテリアとしての見栄えも両立……う〜ん、我が家にも欲しいけど、出世したら買います!

 

 

 

 

 

 


第12回:自分好みの真空管アンプを選びたい!〈製品編〉

今回は10月8日、9日に行われた「真空管オーディオフェア」で見かけた真空管アンプを中心に、話を進めましょう。その前に、構造からでなく、外見から真空管を分類してみましょうか。

おっ、中身でなく、ルックスから入るんですね! 前回は3極管とか5極管が登場しましたが、今度はどんな分け方になるのでしょうか?

今回は形状で分類します。形状が異なっても内部構造は同じで、差し替えられる真空管もあるんですよ。まず、この画像を見て下さい。

左から、mT管(ミニチュア管)、GT管/整流管、ST管(ダルマ管)、GT管/5極出力管、GT管/ビーム管KT66、GT管/ビーム管KT88、ST管/直熱3極管300B。

あー……。こうして並べると、大きさがかなり違いますね。やっぱり大きいほうが真空管らしくて迫力を感じますけれども。

mT管ST管だと親子ほど大きさが違いますね。小型高性能を実現したのがmT管ですが、音質がいいとは限らないのが、オーディオの面白いところです。もっと小さいサブミニチュア管というのもあり、ポタアンにも使われていますよ。

ポタアン?

ポータブル・ヘッドフォンアンプ、略してポタアン。

おなかすいてきた。帰りにコンビニでつぶあん買って帰ろう。あ、これ面白いですね。真空管なのに、外装が金属でできてる。ルックス重視なのに、これじゃあ鉄仮面で顔を覆われているみたい。変なの!

これは軍事用に作られたメタル管です。高信頼管なので音がいいという人もいますが、確かに人気はないかもしれません。

そんなに信頼してくれてるんですか! ボクのこと!

高信頼管は、先ほども触れたように、軍事や医療など高い信頼度が要求される専門分野向けに開発されたものなので、真空管のことは信頼していますが、たかゆきさんのことは、まだそれほどオヨビでないですが……。

がちょーん。あ、これ見てください。これは優雅な形で、ノスタルジックな真空管ですね。

古典管とも呼ばれる古い真空管で、ナス管と呼ばれています。1930年代まではこのデザインが主流でした。

またおなかすいてきた。つぶあんとナスじゃ、組み合わせがあまりよくなさそうだな……。

集中してくださいね!

ヒジョーにキビシーッ! あ、これはまた大型の真空管ですね〜。

レイセオンRK-715Bという送信管ですね。電極が上部にもあるのが特徴です。送信管にはもっと巨大なものもあります。

ソーシンカン?

簡単に言うと、無線送信機などに使われていた真空管です。大型でまぶしいくらいに光るものもあり、真空管アンプ用としても人気があります。

合点承知の助! では、この角が2本あるのものは?

これも送信管双5極管ですね。中に2個分の5極管が入っているので、電極も2本あります。互換性のある丸っこい832Aを、私はニコちゃん大魔王と呼んでいます。右にあるのは316Aという珍しい真空管で、航空機に搭載されたトランスミッター用です。

へぇ〜真空管はいろんな場面で使われていたのですね! 男のロマンを感じます。

次は、いよいよ真空管アンプの種類についてですね。会場をざっと見回すと、小さいアンプから巨大なアンプまでいろいろありました。弊社も2階にブースを出していますが、この階は物販中心なので、秋葉原のガード下みたいな雰囲気になってますね!

確かに「真空管オーディオフェア」は、他のイベントと雰囲気違いますね。ご年配の方が多くて、さっきからチラホラ聞こえてくる、たかゆきさんの昭和のギャグがウケそうです。

アンプに関しては、前回も出てきましたが、シングルプッシュプルかに分かれます。シングルアンプは音色に魅力がありますが、小出力なのが弱点です。プッシュプルは低域に馬力があって、真空管の数を増やせば大出力が取り出せます。

うーん……小出力のシングルアンプだと、1W〜8Wとすごく数字が小さくて心配です。トランジスタアンプなら、入門機でも20〜30Wはありますよね。

シングルアンプは、フルレンジ一発の小型スピーカーか、バックロードホーンなどの能率の高いスピーカーシステム向きです。出したい音量にもよりますが、スピーカーユニット能率は、できれば90dBは欲しいですね。能率が低くて強力な磁気回路を採用した小型2wayスピーカーは、プッシュプルで鳴らすのに適しています。また3wayフロア型とかトールボーイも、プッシュプル向きですね。

じゃあ、デスクトップで鳴らすなら、3極管シングルで充分そうですね!

ん? 3極管は古い真空管なので、結構大きめですよ。デスクトップに置けるサイズは、6V6あたりが限界だと思います。まあ、真空管アンプはやはりルックスも大切で、大きくて明るく輝く、直熱3極管、特に300Bを使った真空管アンプが人気です。

これぞ、一般的な「THE 真空管アンプ」って気がします。各メーカーからいろいろな300Bが発売されていることから、人気の程がわかりますね。

まずは、オリジナルの真空管アンプ・キットがたくさんあって、比較試聴のイベントを行なっている「ザ・キット屋」に行ってみましょう。

早速、見つけました300Bシングルアンプ! ボディがシルバーで現代的ですね。入力切替とボリュームがあるので、プリメインアンプとして使えますね。

JB-320LMキット」ですね。直熱3極管で人気を二分する、300B2A3のコンパチブル仕様。スイッチを切り換えるだけで、真空管の変更に対応します。6V6は、EL346L6と差し替えられます。これがいわゆる球転がしですね!

球転がし」! おぉ〜マニアの世界に片足突っ込んだ気分。ちょっと前に「タモリ倶楽部」で「真空管 球転がしバトルロイヤル」って企画をやってました! 確かに真空管を差しかえただけで、音は全然違っていましたよ。球を変えられるということは、キットが完成してからも楽しめるわけですね。あっ、ここにもっとシンプルなシングルアンプがありますね。

SV-S1616D/300B仕様キット」ですね。真空管レスで8万5320円と手頃な価格で、300Bが楽しめる自作派応援キットです。同じ構成で2A3用、KT88系のキットも選べます。整流管の替わりにダイオードモジュールが標準装備されたユニークなキットで、売れ筋モデルですね。

真空管アンプ・キット、挑戦してみたくなりますね。トランジスタアンプ・キットと聞いても、なぜか食指が動かないのに。

これが5極管プッシュプルアンプの「SV-P1616D/多極管仕様キット」です。いま使われているのはKT-150で、この真空管なら37W+37Wの出力が出せます。これが300Bシングルでは8W+8Wになります。

かなり出力に差が出るんですね。で、真空管アンプキットって難易度は高いのでしょうか?

キットにもいろいろあります。例えば、ブロックごとにサブシャーシに分割して、作りやすくなっているキットもあります。中はこんな感じになります。基板なしディスクリート(個別)配線なので難易度はやや高いですね。配線の枝ぶりが音に影響します。

これはっ……! 好きな人ならずっと見てられるような配線なんでしょうね。できたらカッコいいけど、これは自分には無理そうなので、もっと簡単なキットはありませんか?

こちらが基板空中配線の両方を使ったキットです。ラグ板を使わないのでかなり難易度が下がります。

うーん、やっぱりマニアの世界だ……。部品点数が多いので、配線自体はさっきのより多そうに見えるのですが……。

そんな人にはエレキットがオススメです! 私も作りましたが、基板に部品をハンダ付けするだけで完了です。すべてのパーツが基板上に乗っているので、組みやすいですよ。

おっ、これならできそうです! 真空管がささっていなければ、トランジスタアンプに見えますね。

今度は、格調高いウッドケースが特徴の吉柴音響の「300B-wood」です。出力トランスから300B専用に開発した気合いの入った新製品です。

これはまたシンプルですね。真空管が4本しかありません。すべての端子がトップパネルに配置されているのもユニークですね。この黒いつぶあんの色みたいなのも、真空管アンプなんですか?

相当おなかすいてるのですね。これはプリアンプです。フォノイコライザー回路真空管を3本使っているそうです。100万円以上する高級機ですね。

真空管アンプなのに、真空管がまったく見えないタイプもあるんですね。素顔を見せない魔性の真空管、と言ったところでしょうか。これだとルックスで見分けがつきませんね。

真空管プリアンプは、昔から球が見えないデザインが一般的ですよ。

ふーん、クールなやつですね。

こちらにはチェコで作っているハイエンド直熱3極管のブランド「KR Audio Electronics」の球がズラリと並んでいて壮観ですね。この下段の左端は、写真でしか見たことのない古典管では!

お、ゴン先生、スイッチ入りました。ハカマが金色というのが貫禄すら感じますね。

初めて見ましたよ! 「KR Marconi R Valve/MP」というタイプでペア6万480円ですね。

こちらにはナス型の300Bがあります。このカーブはいいですね。しかし、ペアで特価でも、さすがに手が出ませんね〜。

まあ、ヴィンテージ管となれば、真空管アンプより値段が高いことはざらにあります。それを思えば、KRはマイスターによるハンドメイドにこだわる球なので良心的と言えます。

いままで真空管アンプをスルーして来た……というか、なんとなく高嶺の花のように思っていたのですが、こうしてみると、ただ音が出るモノということだけでなく、機械としての魅力にあふれた生き物のようですね。ルックスだけではわからない、真空管の性格や内面を知ることができて、より身近に感じることができました。

これを踏まえて、自分好みの1台を選んでみます!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


第11回:真空管に癒されたいけど、その前にわからない!〈基本のキ編〉

最近、めっきり涼しくなって秋の訪れを感じます。人恋しい季節なので、真空管アンプの温かい光と音で癒されたいなぁ〜……って、そもそも真空管って、なんで熱くて光ってるんですか?

フフフ、真空管は単純に見えてなかなか奥が深いんですよ。真空管は誰が発明したか、ご存じかな?

エヘヘ、これで予習してきたのでわかりますよ、フレミングですね!

真空管アンプの特集を組んだ「Stereo」2017年10月号ONTOMO MOOK「真空管アンプ読本」

ブッブブ〜、残念でした。発明したのはトーマス・エジソンなんです。彼が商用化した白熱電球は(発明はジョゼフ・スワン)、長時間点灯しているとカーボン・フィラメントが蒸発して、内部が黒くすすけて暗くなるという弱点がありました。

白熱電球

フィラメント? カーボンは炭素という意味ですよね?

 

 

 

 


第10回:ラズベリーパイって何かしら?

今回も引き続き、「8cmクラブミーティング with ハイレゾパークvol.9」(去る9月1日・2日に開催)で展示されていたRaspberry Piについて学びたいと思います。ていうか、ラズベリーパイってスイーツじゃなかったんですね! 人気って聞いていたので、どれだけ美味しいパイなのかと楽しみにしてたのに〜。

予想どおりのボケですね! ラズベリーパイ、通称ラズパイはイギリスのラズベリーパイ財団が開発したシングルボードコンピュータの名称です。教育用のコンピュータとして作られているので、なるべく小さく、安価でわかりやすいことを目指しています。

あれ? オーディオでもなく、コンピュータなんですね! 小さ〜い! 手のひらサイズでかわいい。これにキーボードやマウス、ディスプレイを接続すれば、普通のPCのように操作できるのですか?

そうなんですよ。1枚の基板の上にHDMIUSBLAN接続端子microSDカードスロットがあって、さらに最新版のラズパイ3ではWi-FiBluetoothも使えるんです。キーボードやディスプレイがなくても、スマホやタブレットのブラウザを利用して操作できます。電源はUSB電源ACアダプタを使います。それで、価格は何と約5000円なんです!

 

ラズパイ3の基板。USB端子が4個、LAN、HDMI、microSDカードスロット、イヤフォンジャックまで搭載。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


第9回:スピーカーの方式には何がある?

今回は、「8cmクラブミーティング with ハイレゾパークvol.9」(去る9月1日・2日に開催)を回って、展示されているスピーカーを見たり聴いたりしながら、スピーカーの方式について学びたいと思います。

バックロードホーンに関しては、第6回でお話ししたのでわかっていると思います。これ以外の方式に、密閉型バスレフ型があります。まあ、他にも後面開放型とか、無指向性とか、フロントロードとか、オールホーンとか、パッシブラジエータとかありますが、マイナーなので無視します。

うわぁ〜ずらずらと出てきましたね、方式! ま、いろいろな方式があるけど、最終的にはバスレフ型が有利っていうお話、ですよね? 市販スピーカーのほとんどが、バスレフポートが前か後ろに開いていますし!

コンクリートホーン5wayマルチなんかも音質的には有利なんですが、なかなか実現できません。小型から大型まで低域の再生限界を伸ばして、量感を出せるのはバスレフだけです。

へえぇ。じゃあ、バスレフだけ知っておけばよさそうですが、この8cmクラブのイベントの展示では変な形が多いので、一応見てみましょうか! お、この円筒形のスピーカーはバスレフ型ですか?

これは無指向性後面開放型という、珍しいタイプのアクリルチューブ・エンクロージュアです。小さなメーカーだからこそ製品化できるんですね。「工房Emerge+」はアクリル加工が得意なメーカーなんですよ。ちなみにデスクトップチューブは密閉型で、無指向性と普通の置き方が選択できます。

 

立てれば無指向性、横にすると普通の置き方。

無指向性というのは、どんな方式なんですか?

 

 

 

 


第8回:吸音材によって音はどう変わる? 実践編

前回気になった「吸音材種類で、音はどう変化するのか」という疑問に答えるため、今回は「Ishida model」を使って、吸音材でどう音色が変わるのかを徹底試聴しました! 使ったのは、下記の4種類の吸音材です。ミクロンウールはもともと、このスピーカーに使われている吸音材です。

 

1. ミクロンウール(超微細ガラス繊維)
2. ニードルフェルト(フェルト吸音材)
3. シンサレート(3M社の断熱繊維)
4. 生成り真綿(シルク吸音材)

 

試聴に使ったのは、8cmフルレンジスピーカーを採用した「Ishida model」。

これらの「吸音材」はコイズミ無線で買ってきたんですよ〜。ホントにそんなに種類あるのか!? とビクビクしながらお店の人に聞いたのですが、いろいろな種類のものが並んでいました! 素材も見た目も違うわけですから、当然音に影響してくるのは予想できますが……。もしかしたら、接続するアンプの種類によっても、吸音材との相性があるのかもしれませんね。

東京・秋葉原の電気街にたつコイズミ無線。自作オーディオ専門の老舗だ。

その可能性も考慮して、リファレンスのパワーアンプに加えて真空管プリメインアンプ「TU-8200でも試聴しました。

試聴に使ったエレキット「TU-8200」。コンデンサーと抵抗を交換済み。真空管も写真とは違うJJ「6L6GC」を使用。

実際の試聴の手順はどのようにしたのですか?

 

 

 

 


第7回:吸音材によって音が変わる?[前編]

前回はバックロードホーンを取り上げたので、今回はバスレフそれとも密閉式についての話題かな?

バスレフ方式は「オントモ・ヴィレッジ」でも扱っているので、ちょっとだけ知ってますよ! バスレフは「bass reflex」のことですね! あれ、もしかして「一眼レフ」の“レフ”と「バスレフ」の“レフ”は同じ意味ですか?

正解! 一眼レフは英語で「Single-lens reflex camera」と言いますが、「reflex」は「反射」という意味がありますよね。あとで解説しますが、バスレフは音の「反射」が関係しており、カメラは光の「反射」が関係しているわけです。前回は「?」がたくさん付いていましたが、今回は冴えてますね。よく“レフ”という言葉に気が付きました!

やったー! 褒められた〜! もうひとつ気付いちゃいましたよ、「トカレフ」の“レフ”も実は同じ……

全然違いますよ! すぐ調子に乗るんだから!!

むむむー! 怒られた〜! ところで、聴きたかったのがバスレフ吸音材のことなんです。「オントモ・ヴィレッジ」で販売しているバックロードホーン・キットの内容を見ると、吸音材が極端に少ないんですよね。バスレフ型吸音材が大体2〜3面ぶんが入っているのですが……もしやケチっているとか!? この差って何なんでしょうか?

8cmバックロードホーン・キットは、吸音材が1本1枚だけ付属。

 

 

 

 


第6回:バックロードホーンは、なぜ市販スピーカーにないの?

そろそろ8月も終盤ですね。みなさんも今年の夏のスピーカー工作はもう完成されたでしょうか? ……あれ? たかゆきさん、なんだか今日は不機嫌そうですね。

ゴンさん、聞いてください! 世の中間違ってるよ!

なんだか今回はいつになく不穏ですね。どうしましたか!? 

お盆の休みの間に、大型量販店やオーディオ専門店をまわって、いろんなものを見てきたんです。

おおっ、そうだったんですね! どうでした?

 

 

 

 


第5回:工作に便利な工具を教えてください!

毎日暑いですね〜。そろそろ夏休みの子どもたちは自由研究に取り組まなくちゃ、あるいは、もう既に始めてるよ〜! という子も多いのではないでしょうか……って、もう講義が始まってますよ! 何を食べてるんですか!!  

あ、これですか? 「チップスター」です。おなかすいたので買ってきました……ゴンさんもいかがです?

あ、そりゃどうも。夏の「チップスター」には個人的に思い出がありましてね、実は小学校の自由研究に「チップスター」の円筒形容器エンクロージュアにした密閉型スピーカーを作ったんですよ。今でこそ地球に優しいオール紙製容器ですが、発売当時から1992年までは底部が金属製で強度があって、ここにターミナルを固定。ユニットはφ70mmが最適で、foを下げるためにコーキング剤を……

いきなり話題がマニアックですよ!

ちなみに「プリングス」ならφ75mmのユニットまで取り付けられますよ。

ゴンさんのマニア話、このポテチのように止まらないですねえ! さてさて、そんなわけで今回は、スピーカーユニットの相棒とも言うべき、スピーカー・キットの工作についてお伺いしたいと思います。

はい! 突然ですが、ここで問題です。スピーカー・キットを組み立てるのに欠かせないものは何だと思いますか?

 

 

 

 

 

 


第4回:夏休みにスピーカーを工作してみたい!……ですが、スピーカーのスペックもわかりません。

スピーカー・ユニットのスペックに入っている用語と数字について教えてください。ただし、文系人間で数字がとても苦手。数字が出てくると眠くなります。逃げ出したくなります。8:00ちょうどに大月駅(山梨県)を出る東京行きの「あずさ2号」で旅立ちたくなります。だから、なるべくお手柔らかにお願いします!

電車の号数や時刻なんかはすらすら出てくるのに……本当に数字が苦手なんですか? では、なるべくやさしく解説をしたいと思います。まずは形式出力音圧レベル(dB)入力インピーダンス(Ω)許容入力(W)周波数特性(Hz)。それから、f0Q0m0ですか? それはスピーカーを自作する人に必要な数字となりますので、がんばってついてきてくださいね。

ああ……。スピーカー・キットを選ぶときにスペックを見て固まった記憶のある、なんか見たことあるけど難しくてよくわからない言葉たちですね。でも、がんばってみます!

まず、簡単なところから、形式はダイナミック型とかドーム型などのユニットの方式が書いてあります。これは前回話しましたね。

次の出力音圧レベルは対数のdB(デシベル)で表記し、数字が大きいほど高能率、非力なアンプでも大音量を出せます。電力比では3dBで2倍、20dBで100倍の違いになります。

出力音圧レベルは、1ワット(W)の電力が与えられたときの、スピーカーから1m離れた地点の音圧(音の大きさ)

えっと……。つまり、スピーカーは能率は高いほどいいということでしょうか。dBはアンプのボリュームに書いてある数字ですね。デシベルって、少しの数字の違いで、そんなに電力に差があるんですね。

 

 

 

 

 

 


第3回:スピーカーは、どういう仕組みで音が出るの?

今回はスピーカーのしくみ編ですね。ろみーさんよりオーディオに詳しそうな、たかゆきさんが登場します。しかし、ジェネレーションギャップは埋まりそうにありません。  

ジェネレーションギャップだなんて〜、冗談はヨシコさん! 気持ちは若いつもりですが、昭和のギャグと電車が好きな たかゆき(自己紹介はこちら) です。よろしくお願いします! オーディオは「詳しい」なんて言ったら本当に詳しい人から怒られてしまうようなレベルですよー。でも今回はせっかくの機会なので、ゴンさんにキホンのキから勉強させてもらうつもりで色々聞かせてもらいますね。では早速。……スピーカーって、そもそもどうして音が出るんですか?

今回もいきなり本質を突いた質問ですね。音は空気の粗密波なので空気を押してやれば音になります。たとえば、手を叩くとか。

ソミツハ? 粗いところと密なところが波になると、音として聞こえるのですか?

はい。押したり引いたりすると空気が振動して音が伝わります。音波と言うように波のような性質もあり、この波の大きさが音量、波が1秒間にどれぐらいの間隔で来るかで音の高低が決まります。ゆったりした波は低音小刻みに来る波は高音になります。

 

楽器は空気を振動させることで音を出していますよね。スピーカーもこれと同じ仕組みと考えていいのでしょうか?

 

 

 

 


第2回:オーディオ用語がよくわかりません。

ろみー:前回、音場感って言葉が出てきたのですが、意味がよくわかりません。えーっと、この「Stereo」誌にも、音場感、音像、定位、音色、音質、ダイナミックレンジ、S/N感、ハイスピード……など登場しますが、どんな音を意味しているのでしょうか。

 

オーディオ機器の評価によく出てくる用語

ゴン川野音場とは、音楽が聴こえてくる空間のことです。まず、ボーカルとか楽器の音が、その場所に楽器があるかのように再生される様を音像と呼びます。

えっ。楽器の音は、スピーカー・ユニットから聴こえるんじゃないんですか?

 

スピーカーユニット。

オーディオの世界では、スピーカー・ユニットから音が聴こえないほうがいいとされています。理想は、2本のスピーカーの存在が消えて、眼前にオーケストラが出現。本物のオケの楽器の配置と距離感で音が出ることです。 

えー! そんなバーチャルな体験が自宅でできるのですか?

オーケストラが目の前で演奏しているかのように再現。

その理想を実現するために、マニアは没頭しているのですよ。次に、楽器の音像の位置を音像定位と言います。音像定位がいいとか悪いとか言うのは、再生されている楽器の大きさ、形状、前後左右の位置が正しいかどうかで判断しています。

ステレオだからセンターだけでなく、左右にも音が定位できるんですね。でも、奥行き方向とか高さ方向は無理っぽい気がしますけど……。

いえいえ、音場感を追求すると、左右の音の広がりだけでなく、前後、そして高さ方向まで再現できます。一般的に音場は、左右のスピーカーの間に生まれます。条件によってはスピーカーの外側まで音場が広がることがあり、これは広々とした音場になります。

そうすると、ウチみたいに部屋が狭い場合はどうなっちゃうのでしょう?

 

 

 

 


第1回:いい音って、どんな音?

JUGEMテーマ:オーディオ

 

今回から始まった「オーディオなぜなに事典」の回答者のゴン川野です。オーディオに興味を持ったのは小学生の頃、アナログレコードとカセットテープの時代でした。オーディオライターになってからCDプレーヤーの誕生に立ち会い、DAT、MD、SACD、そしてハイレゾと、オーディオの進化と共に歩んできました。思い起こせば、新宿西口地下広場でのフォーク......(以下40行略)

(自己紹介はこちら)

 

 

 

先生役のオーディオ&音楽ライターゴン川野さん。
ハイレゾレコパル」や「@DIME」のPCオーディオデジカメの連載(小学館)、
月刊「ステレオ」(音楽之友社)などで執筆を行なう。

 

ろみーです。私、この会社に入るまで(自己紹介はこちら)、オーディオのこととか、まったく考えたことがなくて、最近になってようやくコンポを揃えたんです。量販店に行っても、売り場のどこへ行けばいいかわからなくて、オーディオ、ステレオ、スピーカー、コンポという単語の違いすらわかりません。

それは大変でしたね。オーディオ(audio)とは「耳に聴こえる音」という意味ですが、それが転じて音楽再生するために関連する機器のことを指すようになりました。オーディオ機器、オーディオシステムを省略してオーディオと呼んでいます。ステレオ(stereo)も同じ意味で使われることが多いですね。

オーディオは、全部ステレオじゃないのですか? 雑誌の「ステレオ」はずいぶん直球な名前だな、と思っていました。

 

月刊「ステレオ」(音楽之友社)

1963年創刊の「ステレオ」誌

LPレコード以前に、SPレコードが音楽の記録再生に使われていましたが、これはすべてモノラル録音でした。LPレコードでようやくステレオ録音が実用的になり、差別化のためにステレオがキーワードになりました。昔は、タクシーに冷房車、映画館に総天然色、洗濯機に全自動と書いてあると、人目をひいたのです。今で言えば、ハイレゾステッカーみたいなものですね。

 

ハイレゾマーク

ハイレゾのマーク

昭和時代の話はよくわからないんですけど……モノラルに対するステレオだったのですね。ブランド品のロゴみたいなものですね。よくわからないデザインでも有名ブランドのロゴが付いていれば、みんなも納得みたいな!

 

 

 

 

 

 


メンバー紹介

「オーディオなぜなに事典」の登場メンバーをご紹介します。

 

 

先生:ゴン川野

 

 

新宿西口地下広場フォークゲリラのことはTVニュースでしか見ていなかったが、大阪万博、サンヨー館の人間洗濯機のビキニのお姉さんのことはよく覚えている。高度成長期、バブル崩壊を経て、今もなおオーディオにこだわり続けるメカ好きライター。SONY「スカイセンサー5500」でオーディオに目覚め、Apogee『Duetta Signature』というオールリボン型の平面スピーカーをこよなく愛する。ちなみにヘッドホンも平面駆動好き。最近、Sonoma「Model One」を導入した。夢は二重防音扉のリスニングルームを持つこと。

 

 

 

生徒:ろみー

 

 

そろそろとんこつラーメンがしんどいお年頃の九州娘。クラシック大好き!で生きてきたが、最近はなぜかアニソンに傾倒。りっぱなヲタクに育ちつつある。オーディオの世界はさっぱりだったが、最近は「俄然興味がわいてきた!」とかなんとかつぶやきながら、あくせく勉強している。夢はギリシャでオリーブ農園を持つこと。

 

 

 

生徒:たかゆき

 

 

オンラインショップ担当。もうすぐ40歳。夏が近づくとバリの民族音楽を聴きたくなる。いい音楽をできるだけいい音で聴くことは人生を豊かにするので、ひとりでも多くの人に音楽やオーディオの魅力を伝えてゆきたい!しかしながら、この世界は答えのない深い迷いの森のよう。及ばずながらそんな世界の水先案内人となるべく、目下勉強中。…なんて言いつつ、いつになったら一人前になるのやら。


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