第17回:パッシブラジエーターとは何ぞや?

もう年末ですよー。こんな年の瀬ギリギリまであくせく働いているなんて、日本人の悪いところです。今回は冬休みということでお休みにしましょうよ……。

怠け者っ! イベントが終わって電池が切れたんですか!?

あはは、きびし〜! 今回ゴンさんに教えてほしいのが、このたびオントモ・ヴィレッジオンラインショップで発売された「パッシブラジエーター型エンクロージュア・キット」の、パッシブラジエーターについてです。これはなかなか面白い作りですよね。

ええ、今のたかゆきさんにピッタリです。

え? なんでですか?

パッシブラジエーターは、以前はドロンコーンと呼ばれていました。「ドロン」ってどうゆう意味だか知っていますか?

「ここらであっしはドロンしやす」のドロンですか?

言うと思った! ドロンは怠け者という意味です。

自分、こんなにキビキビ働いてます! いや〜、忙しい、忙しい。

さっき休みにしようとか言ってたでしょ! それはさておき、さすがに「怠け者」というのではイメージが悪いため、パッシブラジエーターになりました。通常のスピーカーユニットから磁気回路を取り除いたので、アクティブではなく、パッシブで動くという意味です。

パッシブ」って、なんだか英語の授業で習った気がします。受動態とかで出てきたかな。

そうですね。つまり、「受け身」という意味になるわけですが、パッシブラジエーターの仕組みを考えると、言い得て妙な部分があります。

ほほう! 具体的には?

パッシブラジエーターは、さきほども少し触れましたが、磁気回路がなくても動くんです。

なぜっ!? 魔法か? いや、さては……忍者の仕業かっ!?

さっきのドロンの続きってわけですか? そうじゃなくて、実はバスレフと同じ原理で動いているんですね。つまり、バスレフポート(バスレフ型のスピーカーに設けられる穴のこと)の代わりをパッシブラジエーターが果たしているんです。

だったら、バスレフと変わらないじゃないですか。わざわざパッシブラジエーターにする意味ってあるんですか?

バスレフポートだと何mもの長さになる設計でも、パッシブラジエーターなら実現可能なサイズに収まるんですよ。バスレフと比較すると、クセが少なく、ダクトの風切り音が出ないというメリットがあります。

んー、納得しがたい。だって、そんなメリットがありながら、世の中のスピーカーは圧倒的にバスレフ型が多いじゃないですか。なんでですか?

簡単な話。パッシブラジエーターのほうが、コストがかかるからです。

そこかいっ!

コストは重要ですからね。パッシブラジエーターは専用のユニットが必要になり、材費、加工費のアップにつながります。

唯一、パッシブラジエーターが盛んに使われているのは、Bluetooth方式の防水防塵タイプです。バスレフにするとダクトを防水にできないので、どこにも穴のないパッシブラジエーターを採用して、低音の量感を稼いでいます。

パッシブラジエーターバスレフの発展型というのはわかりましたが、それなら大口径ウーファーを搭載した密閉型と、どこが違うのでしょうか?

エンクロージュアのサイズがまったく同じなら、パッシブラジエーターのほうが低域の再生限界を伸ばせます。密閉式はタイトでキレのいい低音が出せます。パッシブラジエーターにすれば、量感のある低音が得られます。

大型のフロア型がパッシブラジエーターを採用することは珍しく、AV用で低域の限界を伸ばしたいトールボーイ型なら使われるケースがあります。

パッシブラジエーターが、フロントバッフルに付くタイプとリアに付くタイプがありますが、これはどうしてですか。

これもバスレフポートと同じで、正面に付けるのは音量優先。その場合、低音の量感が出せますが、主張しすぎると違和感につながります。背面であれば音色の違いが薄められ、壁の反射を利用すれば量感をアップさせることもできます。

すると、パッシブラジエーターは大型や中型スピーカーより、小型スピーカーで使ったほうがメリットが大きいわけですね。

その通り! 日本でパッシブラジエーターが有名になったのは、JBLの傑作フルレンジスピーカーユニット「LE8T」のために設計された20cmパッシブラジエーター「PR8」が登場した1966年頃からです。白いコーンがまぶしかったな〜。

L75 MINUET」がコンパクトなツインスピーカー搭載スピーカー。そして壁掛けに対応したスリムな「L54 Trimline」。手彫り格子グリルでデザインのインパクトも強かったJBL「Olympus」にもLE15というパッシブラジエーターが採用されました。

この辺りからパッシブラジエーターが日本でも認知されてきました。もちろんドロンコーンという名前で。

あんまり話が長いとドロンしちゃいますよー。

おっと、つい昔話に夢中になってしまいましたか。でも、JBLにそんなユニットがあったなんて、知らなかったでしょ。パッシブモードなたかゆきさんをアクティブモードにするべく、次回は実際にそのパッシブラジエーター型エンクロージュア・キットを鳴らしてみましょうか!

 

 

 

 

 

 

 


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